豆知識「舌の癖と歯並びの関係」を紹介。歯列矯正なら「大阪 アート 矯正歯科」。
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舌癖とは
舌を歯に常に押し付けているような癖
の事を言います。
本来舌の正しい位置は舌の先が上の前歯の付け根の辺りにある『スポット』と呼ばれる丸い膨らみをさわった状態で全体が上あごにくっついているものです。
この時、舌は歯に触っていません。
舌癖があると舌が本来の位置よりも全体的に下に下がり、上の歯と下の歯の間辺りを押し付けるようになってしまいます。
試しに唾を飲み込んでみてください。
唾を飲み込む時に舌の先がスポットから離れ歯に触ってしまう人は舌癖があると言えます。
人間は1日に約1500回、無意識に飲み込む動作をしています。
舌癖のある人は、飲みこむたびに舌で歯を押している
ことになるので、
その結果
歯と歯のすき間が開いたり
、
上下の歯が噛み合わなくなる
ことがあります。
また、しゃべる時もそのすき間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌たらずな発音になることもあります。
このように、舌癖があると歯並びや発音に大きな影響を及ぼしてしまいます。
舌の先端は常にスポットに付けておきましょう。
>> 舌癖の克服方法・トレーニングの手順はこちら。
(1)指しゃぶりの名残
幼児期より指しゃぶりを長く続けると上下の前歯の間に大きな隙間が開く、
開咬
という状態になってしまいます。
5歳を過ぎた頑固な指しゃぶりは注意が必要です。
また、たとえ指しゃぶりをしなくなっても、既に出来てしまった隙間が気になり、そこへ舌を突っ込んでしまうため、それが癖になってしまうことがあります。
(2)乳歯の早期喪失
乳歯から永久歯への歯の生え変わりの際に、乳歯が抜けて歯がない状態になるとどうしても舌を歯の隙間に押し付ける癖が出てしまいがちです。
乳歯が早く抜けてしまい永久歯がなかなか生えてこなかった場合、歯がない状態が長く続いてしまうと、その癖が長く続いてしまうので、永久歯が生えてきても舌癖が残りがちです。
(3)口呼吸
鼻炎等で鼻の通りが悪いと口呼吸になりがちですが、口呼吸になると舌が下に下がり、歯に接触しがちになります。
(4)舌小帯(ぜつしょうたい)の異常
舌小帯が張っている場合です。
舌小帯は舌の裏側のヒダ状のスジの事を言いますが、これが張っていると、舌の動きを阻害してしまいます。
舌を上に上げづらくなるため、舌は通常よりも下に下がってしまいます。
MFT(口腔筋機能療法)とは、正しい舌の動きや正しいお口のまわりの筋肉の動きを覚えていって習慣化し、正しく機能させる訓練のことです。
矯正装置をつけなくとも筋機能療法のみで悪い歯並び(不正咬合)がある程度改善することもありますし、矯正治療を成功させるために筋機能療法の併用が必要な場合も多いです。
リラックスした状態では、舌は
上あごのスポット
についていて、口唇は閉じているのが理想的です。
その状態を維持し、正しい嚥下(飲み込む動作)、発音をできるようにするのが、この訓練の目標です。
@ スポットポジション 5回
普段何もしていない時や、飲み込みをするときに舌の先が触れる位置を覚えます。
その「位置」をこのレッスンでは
「スポット」
と呼びます。
(1)まず、スティックでスポットを触ります(ゆっくり3数える)。
(2)次に、スティックを離し、同じ場所を舌の先で触ります(これもゆっくり3数える)。
このとき、舌を丸めないで、舌の脇を締め先を尖らせてください。これを交互に5回くりかえします。
A ポッピング 10回
舌を上に持ち上げる練習です。
(1)舌全体を上あごに吸い付け、口を大きく開けて
舌の裏のヒモ(舌小帯)
を延ばします。
このとき、<舌の先がスポットにあること>、<舌の前の方だけでなく、後ろの方まで上あごの裏側に吸い付いていること>、<舌が上の歯を覆わず上の歯列の内側に収まること>、<左右対象に吸い付けること>が必要です。
また、口を開けるときは、下あごを前に出したり横にズレさせたりせずに、まっすぐ開けます。
(2)次に、舌を下におろし「ポン」と音を立てます。
舌全体が吸い付いていないと軽い音がしてしまいます。
ちょっと下品な音が正しいです。これを10回くりかえします。やり過ぎはよくありません。
ゆっくり数えて、「1、2、3、ポン」くらいの速さで行いましょう(速くやってはあまり練習になりません)。
舌を吸い付けることの出来ない人は、まず何でもいいから「ポン」と音を出すことから始めましょう。
音の出る直前は舌の一部が吸い付いているはず。
徐々に舌全体が吸い付くようにし、そしてだんだん舌の裏のヒモを伸ばせるようにしていきます
B バイト 5回
咬む筋肉が緊張する感じを覚え、鍛えます。
(1)両手をエラに置いて、ギュっと強く歯を噛みます。すると、筋肉が緊張し固くなるのを感じます(咬筋)。
(2)次に、両手をコメカミに置いて、ギュっと強く歯を噛みます(側頭筋前腹)。
(3)最後は、両手を耳の上に置いて、ギュっと強く歯を噛みます(側頭筋後腹)。
これを5回くりかえします。
このプログラムはゆっくり数えて行いましょう。タイミングは、「おさ、えて、ギュッ、休み」くらいの速さです。
筋肉を感じますか?左右が同じくらいに触れますか?
筋肉がよく触れない人は普段食事もほとんど前歯で噛んでいるかもしれません。
奥で噛むようこころがけましょう。左右の強さの違う人は、弱い側の奥歯でガムを噛んで鍛えてみましょう。
Cスラープアンドスワロー 左右5回
物を飲み込む動作、嚥下(えんか)の練習です。
舌を上に付けて飲み込むことと、舌の脇を使って水を奥に集めることを練習します。
(1)舌の先を
スポット
につけて舌全体を上あごに吸い付け、上の犬歯(糸切り歯)の後ろにストローを置いて、舌の裏側に当てます。
そして、そのまま軽く歯をかみあわせます。
(2)スプレーで口の横から奥歯に向かって水を吹き入れ、音を立てて水を吸い込みます。
後ろに水を集めたら、奥歯を噛んだままゴクンと飲み込みます。
これを左右交互に5回ずつくりかえします。
正しい嚥下では口唇は軽く閉じていますが、この練習では口唇を開けて状態で飲み込みます。
そのため、鏡で嚥下時の舌の状態がチェックできます。
舌が前に出てこないよう舌の先を
スポット
から離さないように練習します。
D ポスチャー 5分間
普段舌を上あごに付けておく習慣をつけます。
上記で紹介した練習の後に、上の犬歯のうしろにストローを置いて歯をかみあわせ、口唇を軽く閉じます。
なるべくストローの力に頼らず、出来るだけ舌の力で上あごに吸い付けるようにします。
くれぐれも舌の先は
スポット
に。
このまま5分間(またはそれ以上)そのままで。テレビを見たり、読書をしたり、口をきかないで、出来ることをやりながらやってください。
E 「カッ!」 スワロー 10回
舌の後方部を上に持上げる感覚を覚えます。
正常な嚥下中には舌後方部が持ち上がります。
口を大きく開けて、舌の先を人さし指で押さえ、舌の先が下の前歯の後ろから動かないようにして、
「カッ!」
と声を出します。
この時、舌の後方部が上に持ち上がるのを確認します。
「カ」は母音Aより子音Kを強めに発音しましょう。
次に、舌の先を押さえたままスプレーでのどの奥めがけて水を吹き入れ、舌の後方部を持ち上げて飲み込みます。
「カッ!」と声を出したときと舌の動きが同じくなるようにします。
これを10回くりかえします。上手く出来ないときは、上半身を後ろに倒して行なう(または仰向けになる)とよいでしょう。
F リップエクササイズ 10回
ボタンプル・・・
唇や顔面の筋肉を強化します。
唇や顔面の筋肉が弱かったり、いつも緩んでいると、歯並びが悪くなったり、矯正治療後の咬み合わせが安定しなかったりします。
(1)直径2.5cm位の薄いボタンに、30〜40cm程度の長さのタコ糸やデンタルフロスのような細い紐(ひも)を通して輪に結びます。
(2)ボタンを唇の裏(歯の前)に入れ、唇を閉じておさえます。ボタンが口から飛びだす寸前の程度の力で紐を前方にひっぱります。
そして力をゆるめます。これを10回繰り返します。
もし、バネばかりがあるようでしたら、紐に引っかけて何グラムまでボタンを維持できるか測ってみてください。
2kg以上なら優秀です(ボタンの大きさによって多少違います)。
筋肉を鍛えるために、この練習を継続的に行うと効果があります。
リッププル・・・
唇を引き伸ばします。
口を開けている癖があったり、小さい頃指しゃぶりをしていて出っ歯気味の人には、上唇の短い人が多いようです。
唇が短くて楽器演奏時息が漏れたり力が入ってしまう人には効果があるかもしれません。
(1)まず下唇の上に人さし指をのせ、下の前歯から下唇を離すように軽く押し下げ口を開きます。
(2)次に上の前歯を覆うように、鼻の下をできる限り長く伸ばします。そして休み、また伸ばすことを10回繰り返します。
口輪筋の力の強さを測定し、力が弱いと判断されたら、この筋肉を鍛える必要があります。
口元の筋肉を鍛えるのに使われるのが、
パタカラ
や
チューリップ
という装置です。
口輪筋を鍛えると、口元にしまりがでるため、見た目もきれいになります。
日頃常にお口が開いてしまっている人、唇を閉めようとすると、あごの先にしわが出てしまう人は必要です。
舌が歯に触れないように装置を使って強制的に行う方法があります。
この装置は前歯の後ろの針金で舌が歯に触れないようにブロックしています。
それに外側の針金をしめることで、
歯の隙間の改善
も行っています。